
こちらは、鳥居清貞の浮世絵「歌舞伎十八番 暫(しばらく)」です。
九代目 市川団十郎「歌舞伎十八番」は、明治28年(1895年)発行の錦絵シリーズで鳥居忠清と、その父である鳥居清貞との合作です。
歌舞伎十八番とは、初代~4代までが得意とした十八の歌舞伎演目のことです。
本図に描かれているのは歌舞伎演目『暫』に登場する上が「清原武衡」、下が「鎌倉権五郎景政(かまくらごんごろうかげまさ)」です。
悪人たちが無実の人々を処刑しようとする絶体絶命の危機に、花道から「しばらく、しば〜らく〜」という大音声とともに鎌倉権五郎景政が現れます。彼が超人的な力で悪人を圧倒し、人々を救い出すという歌舞伎の代表的な「荒事(あらごと)」。です。主人公の鎌倉権五郎景政が、巨大な刀を携え、赤と白の大胆な隈取りに柿色の素襖(すおう)という派手な衣裳で登場する姿は、まさに歌舞伎の象徴です。
江戸時代、劇場と役者の雇用契約は1年間でした。そのため、毎年、新しい顔ぶれで最初の興行を行なう「顔見世」(かおみせ)が行なわれるのが通例で、顔見世狂言では、劇中で一座の役者を紹介します。いろいろな役柄を一度に見られるため江戸歌舞伎において、「暫」の上演は、毎年の顔見世興行でした。
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