
こちらは、鳥居清貞の浮世絵「歌舞伎十八番 鳴神(なるかみ)」です。
九代目 市川団十郎「歌舞伎十八番」は、明治28年(1895年)発行の錦絵シリーズで鳥居忠清と、その父である鳥居清貞との合作です。
歌舞伎十八番とは、初代~4代までが得意とした十八の歌舞伎演目のことです。
本図に描かれているのは歌舞伎演目『鳴神』に登場する上が「鳴神上人」、下が「雲の絶間姫」です。高僧として名高い鳴神上人は朝廷に約束を破られたことを恨み、呪術で竜神を封じ込めて雨を降らせないようにしてしまいました。困った朝廷は「雲の絶間姫」という美女を遣わして色仕掛けで鳴神上人を騙し、竜神を解放して雨を降らせることに成功します。騙されたことに気づいた鳴神上人は怒りのあまり雷に変化して姫を追っていくという物語です。芝居の前半は、女を知らない鳴神上人を色仕掛けで誘惑する官能的な場面が見どころですすが、後半は一転して、騙された怒りで雷に化けた鳴神上人が派手な隈取と火焔模様の衣装で、荒事ならではの見得や六方を繰り広げる大荒れの展開に変わります。前半と後半の変わりようは、歌舞伎ならではの表現を感じさせる作品です。
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