
こちらは豊原国周の梅幸百種之内「義士外伝復讎鑑(ぎしがいでん あだうちかがみ) 赤垣源蔵」です。
「梅幸百種(ばいこうひゃくしゅ)」とは、梅幸という歌舞伎役者が扮した100種の役を豊原国周(とよはらくにちか)が版画であらわしたもので、梅幸とは幕末から明治にかけて活躍した名優、五代目 尾上菊五郎の俳名です。全100図にわたって描き出した国周の晩年の代表作として知られています。
赤垣源蔵は『忠臣蔵』の外伝の一つで、「赤垣源蔵、徳利の別れ」として知られる人物です。元禄15年12月14日の雪の夜、赤穂浪士の赤垣源蔵は他家への仕官と偽り、兄・塩山伊左衛門の屋敷へ暇乞いに訪れます。徳利を手にした源蔵でしたが兄は留守で、酒癖を嫌う義姉に門前払いされました。諦めきれない源蔵は兄の羽織を身代わりに立て、1人酒を酌み交わします。襖の隙間からそのただならぬ覚悟を察した義姉は、涙を流しました。帰宅後に妻から事情を聞き、弟の真意を悟った伊左衛門が外へ飛び出すと、そこには吉良邸への討ち入りを果たし、堂々と凱旋する源蔵の姿があったという物語です。しかし、酒豪源蔵は実録物など殆どの作品で登場しますが、実際は下戸。むしろ甘党だったと言われています。
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