陶器と磁器の違いって?

陶磁器買取 2023.11.04
陶器と陶磁器の違い

陶器と陶磁器の違い

 

日常で使う身近な焼き物である陶器と磁器。
その違いについては普段あまり意識することがないのではないでしょうか。
古美術を学ぶ上で、あらためて陶器と磁器の違いをまとめてみました。

陶器は「土もの」、磁器は「石もの」

陶器

陶器の原料は、陶土といわれる生成された粘土です。
このため、陶器は「土もの」と呼ばれます。
窯にもよりますが、比較的には磁器よりも低い900~1200℃で焼成します。
素地は多孔質で磁器に比べると密度が低くく軽く吸水性があります。
色は茶色やグレーなどの土色です。
強度は磁器に比べると割れやすく、そのため厚く作られます。大きくなるほど厚く作られるので、比例して重さも増し、大皿の場合数キロにもなります。
軽く叩くと、鈍い音がします。

磁器

磁器の原料は、粘土以外に長石や珪石を砕いたものが多く含まれる陶石です。
このため磁器は「石もの」と呼ばれます。
焼成温度は一般的に陶器よりも高い1200~1400℃。
長石や珪石が高温で焼かれることで、透明感のあるつるっとした磁器の質感となります。
鮮やかな絵付は、一度釉薬をかけて焼いてから描くことが多く、ひと手間多いことになります。
強度が高く、薄手のものや繊細な細工が可能です。
素地の色は白色で、石の質感があり、薄手のものは光にかざすと透けて見えます。
軽く叩くと、金属質の澄んだ音がします。

陶器磁器
焼成温度900~1200℃1200~1400℃
原材料陶土(長石の割合が少ない)陶石(長石の割合が多い)
素地の色土色(茶色やグレー)白色
透明度透明感はなく柔らかい雰囲気透明感があり、光にかざすと明るく見える
指で弾いた時の音鈍いチンッと金属的な音
高台土のざらつき白い石の質感
有名な産地萩焼、美濃焼、唐津焼、益子焼、信楽焼 など伊万里焼、有田焼、九谷焼、京焼 など

制作工程

陶器

  1. 土(粘土)作り
  2. 成形
  3. 乾燥
  4. 素焼き
  5. 装飾
  6. 施釉
  7. 本焼き
  8. 完成

磁器

  • 土(陶石)作り
  • 成形
  • 乾燥
  • 素焼き
  • 下絵
  • 施釉
  • 本焼き
  • 上絵付け
  • 焼き付け
  • 完成

陶器と磁器の見分け方

光に透かす

陶器と磁器を見分ける時、光に向けて透かしてみます。
磁器はガラス質が多く、薄手のものは光に透かすと透けて見えます。
陶器はガラス質が少なく、光を通しません。

指で弾いて音を聞く

指で弾いて、チンッやキンッといった高い音が鳴れば、磁器です。
鈍い濁った音がすれば陶器です。

高台をみる

陶器の場合、高台は釉薬が掛かっておらず土の肌がそのまま出ています。
釉薬が掛かっていない部分にざらざらした土の質感があれば陶器です。産地特有の土の色を確認できます。
磁器の場合、釉薬の掛かっていない部分は白い石の質感です。

高台(こうだい)とは
器の裏側の器を支える足の部分。多くは円形や楕円形。
成形時に、削って作る場合と後から付ける場合がある。
作家の個性や技量が表れる部分で、お茶席で茶碗を裏返してみているのは高台を見ている。

陶器と磁器 有名な産地・窯

陶器の産地・窯

萩焼
美濃焼
唐津焼
益子焼
信楽焼 など

磁器の産地・窯

伊万里焼
有田焼
九谷焼
京焼 など

陶器と磁器 それぞれの魅力

風合い

陶器は厚手で、土のあたたかみ、素朴なやわらかさを楽しめます。
手に持つことが多い食器でお使いになると、土の手触りがより日常的に楽しめます。

磁器は、表面がなめらかで白い肌と透明感があり、色彩表現が豊かです。細かな細工や絵付けを施すことができます。

食器として使う

陶器は、厚手で冷めにくいので、熱いものを入れるのに適しています。
水分が染み込みやすくシミが付きやすいので、使用後はしっかり洗ってよく乾燥させる必要があります。

磁器は、冷めやすいので陶器に比べると保温性には劣りますが、丈夫で汚れがつきにくく日常使いにも 向いています。

扱い方

陶器

「目止め」
たとえば土鍋などを新しく購入した時に、「目止めをしてから使用して下さい」の一文を目にしたことがあるのではないでしょうか。土鍋に限らず、陶器には、目に見えない小さな凹凸がたくさんあるため吸水性が高く、食材の水分や油が染み込みやすいという特徴があります。変色や匂い、ヒビ割れを防止するために行うのが「目止め」です。
「目止め」の作業は簡単です。
陶器を使い始める前に、お米の研ぎ汁で20分ほど煮てからそのまま冷やし、冷めたら洗ってよく乾かします。

陶器は水分が入りやすいため、カビを防ぐためにも普段からよく乾かして使用しましょう。
貫入がある陶器、上絵が施された陶器を食洗機で洗うことは避けてください。
電子レンジは内部に溜まった水分が膨張して割れる原因にもなるのでおすすめしません。

磁器

磁器は丈夫ですが、金・銀彩が施された磁器はこすって絵が剥がれてしまわないよう気をつけて洗って下さい。
また、上絵があるもの、金彩銀彩があるものは、食洗機は避けましょう。

まとめ

普段何気なく使っている陶器と磁器、扱い方にも違いがありました。現在の日常使いでは磁器の方が多くを占めていますが、陶器にもまた違った魅力があります。
もしご先代や先々代から伝わった古い陶器・磁器について査定をご希望の場合は、お気軽にお申し付け下さい。