犀角買取
豊富な取扱実績と専門知識で価値を見極めます

古美術永澤では、犀角(さいかく)を使ったお品の買取に力を入れています。
長年数多くの作品を取り扱ってきた豊富な実績と経験で、犀角杯、犀角彫刻像・仏像、犀角帯飾り・簪・装身具、犀角筆洗・印材など、さまざまな種類のものをお買取りしております。
犀角の中国美術品の査定は、ぜひ古美術永澤にお任せください。
犀角(さいかく)とは?
犀角(さいかく)はサイの角です。骨ではなく、毛や爪と同じ成分であるケラチンが高密度に固まった繊維質の素材です。細やかな繊維は他の材質には無い独特なもので、木材や骨とは異なる、独特のしっとりとした質感と、使い込むほどに深みを増す光沢が珍重されました。
また、解熱・鎮痛作用があるとして漢方薬としても好まれ、皇帝や高官が毒殺を恐れ、犀角を杯(さかずき)にした犀角杯(さいかくはい)を愛用したといいます。中国の古書「本草綱目」にも犀角の効能についての解説が載っており、李時珍(※1518-1593 中国明時代の医師)が以下のような記述を残しています。
・犀角は犀の精霊が集まったものである。
・胃に働き、毒を中和する力が最も強い。
・犀は百草の毒や棘を食べるため、角に解毒力が宿る。
・毒のある飲食物に犀角を浸すと、毒があれば白い泡が立つ。
・毒矢の傷に犀角を刺すと治る。
・古代の逸話で「犀角を燃やして照らすと水中の怪物が現れる」というものがある。
・邪を祓い、(精神的に)惑わされない象徴として珍重された。
これらは呪術的な要素や古い逸話にまつわるものが多いのですが、それだけ犀角が希少品で、信頼されていたことが伝わります。
特に乾隆帝(1711年-1799年)は熱心な古美術愛好家で、様々な貴重品を収めた特注の小箱や棚「多宝格」を数多く作らせました。その中に犀角の品もあったといいます。
※本ページで触れている犀角の薬効に関する記述は、歴史的文献や伝承に基づく一般的な説明であり、現代医療としての効能を保証するものではありません。効果の真偽について当店では責任を負いかねますので、あくまで参考情報としてご覧ください。
犀角の中国美術としての用途

犀角を使った中国美術品として、最も多いものは杯(さかずき)です。杯に花鳥・山水・人物などを肉厚に彫った物が犀角彫刻の代表です。その彫刻技術の高さから、実用というより愛蔵品として使われました。特に中国の明~清時代に発展しました。
その他、帯飾りや簪(かんざし)などの装身具、筆洗や印材などの文房具としても使われました。
犀角と高浮彫(たかうきぼり)

犀角は繊維質できめ細かいため、石材や木材よりも高浮彫(たかうきぼり)がしやすく、重宝されました。高浮彫とは、文様が素材から高く立体的に浮き上がるように彫る技法のことです。厚手の素材を深く掘り下げることで背景からモチーフが大きく浮き立ち、陰影が深く、立体感の強い彫刻が作れるのです。
特に高浮彫は材質の違い・光の当たり方で作品の表情が大きく変わります。
また、深く彫るため作品の強度を保つのが難しく、材質の理解も必要なため、技術難易度が高い技法です。
中国美術における犀角彫刻

中国で犀角の彫刻が作られるにあたり、以下のような彫り方が多く見られます。
・高浮彫
モチーフ全体が盛り上がり、影が強く出る彫り方
・透かし彫り
穴を貫通させて奥行を作る彫り方
・多層彫り
手前・中間・奥の三層構成を作る彫り方
・線彫り
極浅い線で描くような彫り方
本物の犀角の見分け方

色が犀角らしいから、高浮彫の杯だから…といって、犀角のお品とは限りません。塗料を塗って犀角らしい外見へ仕上げる工芸品も数多くあります。以下のようなポイントをチェックしましょう。
・肉厚な部分が1mm~数mm以上あるか?
・角が丸く滑らかか?(特に中国の技術が高い彫師ほど、均整で滑らかな彫りです。)
・段差の陰影が濃いか?
・繊維層が見えるか?
・光を当てると赤く見えるか?
・触ると角特有の温かみがあるか?
これらは犀角独自の特徴でもあり、コレクターに好まれる要素のため、多いほど評価が上がります。
犀角と他素材(水牛角・樹脂など)の比較

● 犀角(さいかく)
犀角は半透明の飴色から黒褐色まで幅広い色を持ちます。
層状の独特な縞模様が特徴で、光に透かすと内部構造があり、赤く見えます。
濃淡にも独特の深みがあります。
● 水牛角(バッファローホーン)
水牛角は黒褐色〜黄褐色の強い色ムラが特徴で、表面にまだら模様が現れやすい素材です。
硬さや質感は犀角に似ますが、層の出方が均一で、光を通しにくい点が異なります。
印材やボタンに多く利用されます。
● プラスチック(模造角)
プラスチック製の模造角は、天然素材のような縞模様を人工的に再現した素材です。
色の境目が不自然に均一で、内部に層構造が無いので断面はツルツルで無地です。
軽量で光の透け方も均質なため、実物と比べると質感の差が分かりやすいのが特徴です。
● 樹脂(レジン)
樹脂製品は滑らかな表面と均一な色調を持ち、手触り・光沢ともに人工的な印象があります。
内部に犀角特有の層模様はなく、光を当てても単調に透過します。
比較的安価なため、装飾品の模造素材として広く使われます。
犀角についてのよくあるご質問 Q&A
犀角の品は買取できますか?
はい、犀角作品は美術的価値が非常に高いため、弊社でも積極的に買取を行っております。
犀角は現在希少素材ですが、国内流通が確認できるお品物であれば問題なくお取扱いできます。
光沢・色味・透明感・彫刻技法によって評価が変わりますので、実物または写真を拝見できれば、より正確にご案内できます。お写真はLINEまたはメールフォームからお気軽にお送りください。
実物のお持込みをご希望の場合は、目白本社にて月に2回土曜日に、 持込み買取(鑑定会)を行っております。持込み買取は完全予約制となりますので、事前にお電話でお問い合わせください。
※持込み買取にお越しの際は、買取りに至った場合に必要となりますので、身分証(保険証・運転免許証など)をご持参ください。登録証は必要ですか?
必要ありません。
ただし、犀角はワシントン条約(CITES)の対象素材のため、国内で合法的に流通していたことが分かる資料(古い購入記録・領収証・箱書・遺品である旨など)があると安心です。
こうした資料がなくても、時代のある骨董品であれば問題なくお取り扱いできる場合がほとんどです。
弊社では、来歴の確認も含めて丁寧に査定いたしますので、どうぞご安心ください。本物か不安でも査定できますか?
はい、真贋がご不安なお品でも問題なく査定できます。
弊社では、署名の特徴・技法・素材・時代性などを総合的に確認し、丁寧に拝見いたします。
「本物かどうか分からない」「頂き物で来歴が不明」といったケースも日常的にご相談いただいておりますので、どうぞ安心してお任せください。





