李秋君りしゅうくん

李秋君 (りしゅうくん,1899-1973年) は、中国の女性画家。名祖雲、字秋君、以字行、斎名欧湘館。浙江省出身。

女性画家・呉淑娟に学ぶ。実兄と張大千が交流があったことから知り合うこととなる。その後、張大千に師事すると多くを吸収し、視点を広げ、技術的にも大きく前進。工筆からはじめ、古画の模写もよくし、主に山水、人物、花、工詩文などを好む。特に古装人物や宮廷仕女を得意とし、美しい色彩と風雅が高く評価される。40歳から山水画の制作研究に専念し、大幅も数点制作している。著名な作品に《假日》、《漁舟待発》、《向東海要魚》、《湘君湘夫人》などがある。
1927年ごろ、張辰伯、江小鶼、潘玉良とともに芸苑を創設。1929年に中国画団体蜜蜂画社にはいり、後に中国画会理事に就任。上海市人民代表、上海中国画院画師、中国美術家協会会員、中国民主同盟に盟員となるなど、上海画壇において長く活躍した。

李秋君は結婚はしなかったが、師・張大千とは公私ともに長くに渡って親密な関係を築いていた。李秋君の献身に大千の身の回りに気遣い、大千が不在の際はその代わりを務め、二人は常に連絡をとっていたという。1973年、李秋君の逝去の知らせを香港で受けた張大千は、最愛の人の住居の方角に向いて跪き長時間にわたって哀悼を捧げ、幾日も食事ができなかったと言われている。