
円通 掛軸
買取の掛軸は、仏教宇宙をあらわした作品「須弥山像銘並序」です。
江戸時代の天台宗僧侶・円通(阿月無外子)による「須弥山儀」と書が書かれています。
須弥山儀とは仏教の宇宙観を表現した立体模型で、「世界は須弥山を中心に広がっている」という仏教観がわかりやすく視覚化されています。
宇宙空間に浮かぶ水輪・金輪・地輪が階層となり、その最上層の中心には金・銀・瑠璃・玻璃の四宝でできた須弥山がそびえたちます。
周囲には教義に基づいた三国(日本・中国・インド)が描かれており、須弥山説にもとづいた世界地図が成立しているのです。
この掛け軸の作者・円通は学者としても功績を残しています。
西洋天文学にも精通したうえで仏教天文学説を掲げ、『仏国暦象編』など須弥山説や梵暦に関する多くの書を著しました。
その才能は芸術家としても花開き、とくに能書家として評価されています。
買取りした掛軸は作品群の中でも大変完成度が高く、書・図ともに大変精緻な筆致で記されています。
画面の絶妙な美しさは仏教的意義だけでなく美術品としても価値があります。
木版画で同じ構図の作品がいくつか発見されており、円通の活動を顧みることが出来ます。
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