
金銅仏(こんどうぶつ)
手のひらサイズの金銅仏(こんどうぶつ)をお譲りいただきました。
お客様から「祖父の遺品整理で出てきた仏像ですが、価値があるものでしょうか」とのご相談をいただき、査定させていただきました。
この金銅仏は高さ約10センチほどの小像ながら、実に精巧な作りを見せています。金銅仏とは銅や青銅の地金に金メッキを施した仏像で、古くから仏教美術の重要な要素として用いられてきました。
注目すべきは、頭部の宝冠の細かな装飾です。蓮弁状の飾りが立体的に表現され、その一つ一つに丁寧な彫刻が施されています。また、胸元や腕輪なども表現されており作者の技量の高さがうかがえます。
仏像の表情は穏やかで慈悲深く、鼻筋は通り唇は微笑みを湛えており、観音菩薩系の尊格と推定されます。
金メッキの状態は良好で、経年による摩耗はあるものの、細部の表現は明瞭に残っています。
今回の査定では以下の点を重視しました。
・技法の精巧さ:小像ながら手抜きのない丁寧な作り
・保存状態:金メッキの残存状況と細部の保存
・時代性:製作年代と様式的価値
・希少性:同種の作品の市場での流通状況
小さな仏像であっても、優れた技法と良好な保存状態、そして美術的価値を備えた作品は、しっかりとした評価をいたします。
古美術品の価値は大きさだけでは測れません。古美術永澤では経験豊富な査定士が、丁寧に査定し、お客様にご満足いただける買取を心がけております。ご不明な古美術品がございましたら、お気軽にご相談ください。
関連買取実績
-
2025.03.17
-
2025.02.03
-
2025.02.01
-
2024.08.25