李朝染付

李朝時代（1392-1910年）の染付花瓶をお譲りいただきました。

この花瓶は、胴部が膨らんだ洋梨型のフォルムに、細く優雅に伸びた首部分が印象的です。白磁の素地に藍色で描かれた文様は、自由闊達な筆致が魅力的で、中国の染付とは異なる素朴で温かみのある表現が見て取れます。

文様は花鳥図で、流れるような曲線で描かれた草花と鳥の姿が躍動感に満ちています。李朝染付特有の「にじみ」や「かすれ」も見られ、李朝染付の魅力的な特徴として評価されています。

李朝染付は、中国の青花磁器の影響を受けながらも、朝鮮独自の美意識で発展した陶磁器です。特に17-18世紀にかけて多くの優品が制作され、日本の茶人たちにも愛好されました。

今回の査定では次の点を重視しました。

まず保存状態の良好さです。欠けや直しがなく、李朝染付特有の風合いが損なわれていない点を評価しています。

次に造形の美しさです。バランスの取れたプロポーションと、首部から胴部への優雅な曲線は、李朝陶工の高い技術を物語っています。

そして文様の質の高さです。筆致に勢いがあり、構図にも工夫が見られることから、相応の技量を持つ陶工の作品と判断しました。

近年、李朝陶磁器への関心は国内外で高まっており、特に状態の良い染付作品は安定した需要があります。

李朝染付は日本の陶磁器とは異なる独特の魅力を持ち、その素朴で力強い表現は現代でも多くの人々を魅了し続けています。

お手元の李朝陶磁器の買取をご検討の際は、ぜひ古美術永澤までお気軽にご相談ください。李朝陶磁器の専門知識を持つ査定士が、一点一点丁寧に査定させていただいております。

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