
宮川香山 (みやがわ こうざん) 急須
先日、当社の買取サービスをご利用いただいたお客様より、大変素晴らしいお品物をお譲りいただきましたので、ご紹介させていただきます。
近代陶芸史にその名を刻む偉大な陶工、眞葛窯(まくずがま)宮川香山(みやがわ こうざん)が手がけた急須です。
土の質感を活かした素朴でありながらも洗練されたフォルム、そしてどこかユーモラスな表情をたたえた雰囲気のデザインは、まさに宮川香山ならではの個性を強く感じさせます。特に注目すべきは、その独特の造形美です。一般的な急須とは一線を画す、丸みを帯びた胴体から、すらりと伸びた注ぎ口、そして絶妙なカーブを描く持ち手は、使う者の手にしっくりと馴染むよう計算し尽くされた機能美をも兼ね備えています。
宮川香山といえば「眞葛焼(まくずやき)として知られる超絶技巧の細密な輸出陶磁器が有名ですが、その一方で、このような日常使いの器にも並々ならぬ情熱を注ぎ、独自の美意識を追求していました。彼の作品は、明治期に日本が世界に誇る工芸品として輸出され、海外のコレクターを魅了しました。その作品群の中でも、こうした素朴な急須には、肩肘張らない、飾らない美しさがあり、当時の人々の暮らしに寄り添った温かみが感じられます。
今回お譲りいただいた急須は、その佇まいから、長年にわたって大切に使われてきたことが伺えます。蓋がやや色づいており、これはお茶を淹れるたびに染み込んだ証拠。まさに「育った」急須と言えるでしょう。このような使用感もまた、骨董品としての味わいを深める要素の一つとなります。
宮川香山の作品は、国内外で高く評価されており、その価値は年々高まっています。もしご自宅に眠る宮川香山の作品や、その他、価値がわからない古美術品がございましたら、ぜひ一度、古美術永澤にご相談ください。専門の査定士が丁寧に査定し、お客様にご納得いただける適正価格で買取させていただきます。
関連買取実績
-
2025.07.08
-
2025.07.04
-
2025.07.04
-
2025.07.04