
今右衛門 帯留
先日、お客様から珍しいお品をお譲りいただきました。それは、今右衛門窯の染付帯留です。
お持ちいただいた際、まず目を引いたのは、そのユニークな形状でした。一見すると瓢箪のようですが、細部を見ると、まるで果実が二つ寄り添っているかのようにも見えます。
特に素晴らしいのが、その染付の技法です。描かれた雲や建物は、まるで水墨画のように奥行きのある表現になっています。染付の濃淡も絶妙です。雲の柔らかな動きや、建物の複雑な構造が、何色もの青で描き分けられています。この濃淡を出すには、筆遣いだけでなく、呉須の濃度を調整する高い技術が求められます。このような精緻な仕事が、この小さな帯留に凝縮されているのです。
お品の状態も良好でした。割れや欠け、目立つ擦れなどもなく、美しいままの姿を保っていました。長年大切にされてきたことが伝わってくるようです。
今回の査定では、作家性、希少性、技法、保存状態、そして市場価値を総合的に判断し、お客様にご満足いただける適正な価格をご提示いたしました。
古美術品や陶磁器の価値は、ただ古いからというだけではありません。そのお品が持つ歴史、作家の技術、そして何より、それを大切に扱ってきた方の想いも含めて査定されます。
ご自宅に眠っている骨董品や美術品はありませんか?古美術永澤の経験豊富な専門家が、一点一点丁寧に拝見し、その真の価値を見出します。査定は無料ですので、どうぞお気軽にご相談ください。
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