
濱田庄司作の飴釉 茶碗
先日、日本民芸運動の中心人物として活躍した人間国宝・濱田庄司の飴釉茶碗を買取させていただきました。深みのある飴色の釉薬と力強い造形美が印象的な濱田庄司らしい魅力に満ちた作品です。
濱田庄司(1894-1978)は、栃木県益子町を拠点に活動した陶芸家で、柳宗悦らとともに民芸運動を牽引した重要な人物です。1955年には「民芸陶器」の分野で人間国宝に認定され、その後も国際的に高い評価を受けています。濱田の作品は、実用性と美しさを兼ね備えた「用の美」を体現しており、茶碗、皿、壺など日常使いの器に芸術性の高い表現を込めたことで知られています。
今回の茶碗は、濱田庄司の代表的な技法である飴釉が施された優品です。飴釉とは、鉄分を多く含む釉薬を高温で焼成することで得られる深い茶褐色の釉薬で、濱田庄司が得意とした技法の一つです。
この茶碗の最大の魅力は、釉薬の美しい流れと色合いの変化にあります。口縁から高台にかけて自然に垂れる釉薬の流れは、計算されたものでありながら偶然性も含んでおり、まさに濱田庄司が追求した「自然美」の表現といえるでしょう。また、全体のプロポーションも秀逸で、手に取った際の安定感は、長年の経験に裏打ちされた技術の高さを物語っています。
査定では、まず共箱の墨書や印章を詳細に検証し、また、作品の保存状態についても重点的に確認します。濱田庄司の茶碗は茶道愛好家やコレクターからの需要が高く、特に飴釉の作品は人気があり、近年の市場動向も考慮して査定を行います。
濱田庄司の作品は、民芸運動の理念である「無名性」を重視しつつも、作家の個性が色濃く反映された魅力的な作品が多いのが特徴です。今回の茶碗も、実用性を保ちながら芸術性の高い仕上がりとなっており、濱田庄司の真骨頂を感じることができる逸品です。
古美術永澤では、人間国宝をはじめとする著名陶芸家の作品を適正に評価し、お客様にご満足いただける査定を心がけております。濱田庄司の作品をお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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