
加藤卓男 三彩 酒杯
この度、人間国宝に認定された陶芸家、加藤卓男(かとう たくお、1917‐2005)の貴重な作品、三彩 酒杯をお譲りいただきました。
加藤卓男は、父である加藤幸兵衛に師事し、美濃焼の伝統を受け継ぎながら、特に正倉院三彩の再現に心血を注いだことで知られています。
正倉院に伝わる三彩陶器は、中国・唐三彩の影響を受けた奈良時代の作例で、日本陶芸史において特筆すべきものです。加藤卓男は、長年にわたり正倉院の古陶を研究し、試行錯誤を重ねることで、その神秘的な色彩を現代に蘇らせました。
今回の酒杯には、緑や乳白色が織りなす流麗な釉薬の表情が見られます。まさに研鑽の賜物であり、まるで自然の滝のような力強さと、静謐な美しさを兼ね備えています。
加藤卓男の作品は、その技術の高さはもちろんのこと、一点一点に込められた探求心と、陶芸家としての魂を感じさせます。特に、三彩の表現においては、釉薬が織りなす色彩の妙が、見る者を惹きつけます。画像の酒杯も、深みのある緑と、柔らかな乳白色のコントラストが絶妙で、見る角度によって表情を変える様は、いつまでも見飽きることがありません。
今回の酒杯は、加藤卓男氏の技術と芸術性が凝縮された素晴らしい逸品です。
私ども古美術永澤では、単に物の価値を測るだけでなく、その作品が持つ歴史や、作者の想い、そして持ち主の方の想いにも心を配りながら、一点一点丁寧に拝見しております。
これからも、一つでも多くの素晴らしい古美術品との出会いを楽しみにしております。ご用命の際は、ぜひ、古美術永澤にお気軽にご相談ください。
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