
藤原雄 備前盃
先日、買取させていただいたのは、備前焼の人間国宝、藤原雄(ふじわら ゆう、1932-2001)の備前盃です。
藤原雄は、同じく人間国宝である父・藤原啓に師事し、その才能を早くから開花させた、備前焼を代表する陶芸家の一人です。啓の温かみのある作風に対し、雄はシャープで洗練された造形を追求しました。本作にも、その特徴がよく表れています。
掌にすっと馴染む柔らかな胴のラインや、土味の良さを引き立てる端正な緋色や胡麻の景色が、器を一層魅力的なものにしています。
備前焼は、釉薬を一切使わずに焼き上げるという、鎌倉時代頃から本格的に茶陶として発展し、現在まで続く伝統を持つ焼き物です。土の配合や窯の温度、そして火の当たり方によって、一つとして同じものがない、唯一無二の景色が生まれます。藤原雄の作品は、その備前焼の伝統を踏まえながらも、現代的な感性を取り入れた作風で、多くの陶芸愛好家を魅了し続けています。
このたび買取させていただいたお品は、共箱も大変美しい状態で、藤原雄の署名と落款が確認できます。
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