
屈輪(ぐり)彫りの香合
先日、鑑定会にて屈輪(ぐり)彫りの香合をお譲りいただきました。
一見すると素朴な印象を与える丸い容器ですが、その表面に施された彫刻技法の精巧さは、専門家が注目する完成度を誇っています。
屈輪彫りは、中国宋時代に隆盛を極めた装飾技法の一つです。この香合に見られる渦巻き状の文様が、屈輪文様と言われています。
表面を覆う複雑な渦巻き文様は、手作業で丁寧に彫り込まれており、その均整の取れた配置と深浅のバランスは、熟練した職人の技術力を示しています。繊細な段差処理により立体感と陰影効果が巧みに演出されています。
この香合は、柘植または類似の硬い木材で制作されたと推測されます。長年の使用により表面に深い飴色が形成されており木目の詰まった良質な材を使用していることも、当時の工芸品の格の高さを示しています。
蓋と身の嵌合部分も非常に精密に仕上げられており、これは香合本来の機能性を維持する上で極めて重要な要素です。
これほど精緻な文様を持ち、かつ保存状態の良好な作品は市場でも稀少であり、コレクターからの需要も非常に高い分野です。
今回の買取では、次の要素を総合的に評価いたしました。
彫刻技術の精巧さと文様の完成度、材質の良質さと時代感のある風合い、機能性の保持状況、希少性、将来的な価値向上の可能性。
古美術永澤では、こうした貴重な古美術品の価値を適正に評価し買取しております。
お手元にこのような中国古美術品をお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。専門知識を持つ査定士が、丁寧に査定させていただきます。
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