
清末から民国期にかけて中国画壇で活躍した、武曾保作「扇面画 四点」をお譲りいただきました。
武曾保(1867-1945)は浙江省杭州出身で、号を苦禅・苦髯、別号を老焦山人と称した文人画家として知られています。詩書画に通じた教養人で、篆刻を中心とする学術団体「西泠印社」の初期社員としても名を連ねた人物です。
画風は、書・画・篆刻の芸術に偉大な業績を遺した呉昌碩の影響を強く受け、金石画派の流れを汲んでいます。とりわけ設色花卉を得意とし、力強く豪放な筆致で描かれた牡丹図は「武牡丹」と称され、高く評価されました。
金石画派とは、篆刻や金石文に基づく書法を絵画表現へと応用した「書画同源」の思想を基盤とする一派で、花鳥画に優れ、繊細な表現とは対照的な、力強く重厚な「金石気」と呼ばれる筆致を大きな特徴としています。
本作は、松・梅・蘭・蓮という文人が好んだ画題の扇面画四点で構成されています。松の剛健な枝振りや、蘭を描いたしなやかでありながら芯の通った運筆の美しさなど、それぞれに異なる表情を見せながらも、全体として統一感のある世界観が表現されています。
武曾保については近年、中国国内で再評価の機運が高まり、美術館でも回顧展が開催されるなど、金石画派の重要人物としてあらためて注目を集めています。
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