
「至元通宝(しげんつうほう)」をお譲りいただきました。
至元通宝は、元朝の時代に発行された銭貨です。
元朝において「至元」という元号は、世祖(フビライ・ハン)の時代(1264-1294年)と順帝(トゴン・テムル)の時代(1335-1340年)の2回使われており、至元通宝もそれぞれの時代で発行されています。元朝では初め、鈔と呼ばれる紙幣を流通させる政策が採られていたため、銭貨は製造量も少なく貴重です。
至元通宝には「四体字銭」と呼ばれる非常に珍しい銭貨があります。表に漢字で「至元通宝」とあり、裏はパスパ文字(モンゴル語の文字)・チャガタイ文字・アラビア文字・西夏文字という4 種の異なる文字によって漢語の「至元通宝」の漢字音が表記されています。複数の文字体系を組み合わせた中国古銭は前例がありません。諸民族を想起させるこの特別なデザインは、四体字銭が流通貨幣としてではなく、至元という年号の治世を祝して発行されたものと考えられることからも、「大元国は様々な民族と共にある/共に栄えますように」という政治的なメッセージ、あるいは祈りとして機能した可能性が指摘されています。
古銭は、当時の貨幣制度や社会状況を反映した貴重な歴史的遺物と言えるでしょう。
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