
太平洋戦争中の昭和17年(1942年)から20年(1945年)にかけて発行された「靖国50銭紙幣(後期50銭券)」です。日本銀行のような中央銀行ではなく、政府が独自に発行した「政府紙幣」の一つです。表面には靖国神社と、勝利をもたらす瑞鳥である金鵄が描かれ、緑色からオレンジ色の柔らかなグラデーションが目を引きます。
日中戦争がきっかけとなり、1938年6月から富士山と桜が描かれた「50銭紙幣(前期50銭券)」が政府紙幣として発行されました。題号は「大日本帝国政府紙幣」となっています。比較的手間のかかるデザインですが、凹版印刷などで美しく刷られているのが特徴です。
戦局が悪化するにつれ通貨の流通量が増大したため、デザインや印刷過程を簡素化して増発することとなり、印刷も民間に委託されました。その際に政府は、戦意昂揚を目的としてデザインを靖国神社と金鵄にすげ変え、太平洋戦争1周年に合わせて発行を始めました。
靖国50銭紙幣は、戦時下においてプロパガンダとしても機能した象徴的な貨幣であり、当時の貨幣制度や社会状況を今に伝える貴重な歴史的遺物です。コレクションのご整理をお考えの際は、どうぞお気軽にお声がけください。
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