
象牙製の彫刻筆
先日、象牙製の彫刻筆をお譲りいただきました。
この彫刻筆は、軸全体にわたって精緻な彫刻が施されています。特に注目すべきは、人物、自然、そして物語の一場面が立体的に表現されている点です。限られた面積の中に、これほどの情報量と芸術性を凝縮できるのは、当時の彫刻師がいかに優れた技術と豊かな感性を持っていたかを物語っています。
象牙という素材は、その加工のしやすさから古くから様々な工芸品に用いられてきましたが、清代に入るとその彫刻技術はまさに最盛期を迎えました。特に乾隆帝の時代には、精巧な玉器や漆器、そして象牙彫刻が盛んに作られ、宮廷文化を彩りました。今回買取させていただいた彫刻筆も、まさにその時代の特色を反映していると言えるでしょう。細密な彫り込み、滑らかな曲線、そして主題の選び方など、清代彫刻の典型的な特徴を示しています。
保存状態も良く、象牙特有の美しい飴色の変化が見られ、長年の時を経てきたことによる風格を感じさせます。
古美術永澤では、中国古美術、特に清代の象牙彫刻品は、その歴史的価値と芸術性の高さから特に注力して査定・買取を行っております。もしご自宅に眠る美術品がございましたら、ぜひ一度、古美術永澤の無料査定をご利用ください。専門知識を持った査定士が、一点一点丁寧に拝見し、その価値を最大限に評価させていただきます。
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