
上村松園の掛け軸
この度、京都が生んだ近代日本画の巨匠・上村松園(1875-1949)による美人画の掛け軸をお譲りいただきました。松園は女性で初めて文化勲章を受章した画家として知られ、その優美で気品ある美人画は現在でも多くの愛好家に愛され続けています。
今回の作品は、二人の女性が傘を差しながら歩む姿を描いた構図で、松園が得意とした日常の美しい瞬間を切り取った作品といえます。松園の代表的な画風が存分に表現された逸品です。
注目すべきは、女性たちの着物の描写です。前面の女性が着用する青灰色の着物には花紋が細かく描かれ、後ろの女性の茶色い着物との色彩の調和が絶妙です。また、着物の裾に散らされた花模様や、濃淡をつけた傘の描写からは、松園の卓越した技術力がうかがえます。
背景に描かれた桜の枝は、季節感を演出するとともに、作品全体に詩情豊かな雰囲気を与えています。このような細部への配慮は、松園作品の大きな魅力の一つです。
掛け軸の保存状態は良好で、色彩も鮮やかさを保っています。表装も適切に行われており、時代の風格を感じさせます。作品左下には松園の落款と印章が確認できます。
松園の美人画は、その気品ある表現と高い芸術性から、古美術市場でも常に高い評価を得ています。特に保存状態の良い作品は希少価値が高く、コレクターの間でも人気が高い作品群です。
上村松園の作品は、作品の大きさ、保存状態、制作年代、来歴などを総合的に判断して査定いたします。今回の作品は、松園らしい優雅な美人画の典型例として、また保存状態の良さも相まって、適正な価格で買取させていただくことができました。
松園の美人画をお持ちの方は、古美術永澤へぜひ一度ご相談ください。専門の査定士が丁寧に査定し、適正な価格をご提示いたします。
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