上村松園 掛け軸

この度、お客様より近代日本画の巨匠、上村松園 (うえむら しょうえん) の掛け軸をお譲りいただきました。

上村松園といえば、といえば、明治から昭和にかけて活躍し、女性の美をテーマにした優雅で気品あふれる美人画で知られています。しかし、今回、買取させていただいた作品は、美人画とは異なる「樹木」をモチーフにした大変珍しい作品でした。

松園の画業は多岐にわたり、美人画以外にも花鳥画や風景画も手掛けています。特に初期から中期にかけては、様々なモチーフに挑戦し、画力の基礎を築いたことが知られています。この作品は、美人画で培われた繊細な筆致と、対象の本質を捉える洞察力が、シンプルながらも力強い樹木の表現に生かされています。

余白を大胆に活かし、清らかな風が吹き抜けるような透明感と、凛とした静寂を表現しています。松園の作品に共通する、静謐で崇高な美意識が感じられます。また、作品の右下には「松園」の落款と印章が確認できます。

一般的に、松園の作品は美人画に人気が集まりますが、こうした珍しいモチーフの作品も、コレクターの間では評価を受けています。松園の画業の奥深さを知る上で、非常に貴重な資料となるからです。また、美人画にはない、松園の新たな一面を垣間見ることができる点も魅力です。

今回の松園の作品のように、作者の新たな一面を伝える貴重な作品は、高評価となります。もしご自宅に眠っている美術品や掛け軸がございましたら、ぜひ一度ご相談ください。専門の査定士が、一点一点丁寧に拝見し、適正な価値を見出します。

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