
小野竹喬 (おの ちっきょう) の掛け軸
今回、買取させていただきましたのは、近代日本画壇の巨匠、小野竹喬(おの ちっきょう、1889-1979)の冬景色を描いた素晴らしい作品です。
雪に覆われた山肌や水面、そして裸木となった樹木の描写は、いかにも竹喬らしい繊細な筆致で描かれています。特に、冬の澄んだ空気感や、淡く霞んだような奥行きのある表現は、竹喬が探求し続けた心象風景そのものです。
画面下部に描かれた、雪の川べりを歩く人影もまた、この作品に物語性を与えています。厳しい冬の情景の中に、ぽつんとたたずむ人物がいることで、作品全体に温かみと、どこか懐かしいような郷愁が漂います。こうしたさりげない人物描写の中に、竹喬の深い人間洞察が垣間見えるようです。
小野竹喬は、風景画を主なテーマとしながらも、単なる写実を超えた内面的な世界を描き続けた画家です。その作品は、私たち日本人が持つ自然観や美意識を深く表現しており、今もなお多くの人々に愛され続けています。
竹喬の作品は、その希少性と芸術性の高さから、市場でも高い評価を受けています。今回お譲りいただいた作品は、まさに竹喬の真骨頂ともいえる一点であり、その価値を最大限に評価させていただきました。
私ども古美術永澤では、お客様の想いの詰まったお品物を、次の世代へと大切に橋渡しする役割を担っていると考えております。今回の竹喬の掛け軸も、きっと新たな持ち主の元で、末永く愛されることと信じております。
ご不要になった美術品や骨董品がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。一点一点、丁寧に査定させていただきます。
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