
田中頼璋(たなからいしょう) 掛け軸
明治から昭和初期にかけて日本画壇の重鎮として活躍した田中頼璋(たなからいしょう、1868-1940年)の滝図の掛け軸をお譲りいただきました。
本作は、勢いよく流れ落ちる滝と、それを取り巻く瑞々しい木々が墨の濃淡で見事に表現された逸品です。頼璋は、近代日本画の大家である川端玉章に師事し、円山派の徹底した写実的な描写を継承しました。その一方で、古来より伝わる「文人趣味」を重んじ、自然の品格を画面に定着させる独自の画風を確立しています。
頼璋の生涯は、決して平坦なものではありませんでした。島根県の庄屋の家に生まれながらも、時代の荒波により家道が衰退。若き日は「旅絵師」として各地を巡りながら、独学で技を磨く苦労人としての顔を持ちます。
36歳で上京し、川端画学校の教授に就任。文展で入賞・特選を経て、帝展の委員を歴任するまでになった背景には、こうした不遇の時代に培われた圧倒的な観察眼と精神力がありました。
古美術永澤では、こうした歴史的価値の高い作品を次世代へ引き継ぐお手伝いをしております。お手元の掛け軸の価値を知りたいとお考えの際は、ぜひご相談ください。
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