
田中以知庵(たなか いちあん、1893-1958年)掛け軸「風果」
大正から昭和にかけて独創的な画境を切り拓いた日本画家、田中以知庵(たなか いちあん、1893-1958年)による掛け軸「風果」をお譲りいただきました。
本作に描かれているのは、瑞々しくも静謐な空気を纏った茄子と南瓜です。
柔らかな墨の濃淡と、繊細かつ大胆な筆致によって表現された果実は、単なる静物画を超え、そこにある命の呼吸さえも感じさせる仕上がりとなっています。
田中以知庵は、明治26年(1893年)に東京で生まれ、歴史画の大家・松本楓湖に師事しました。同門の速水御舟と切磋琢磨し、伝統的な技法を習得する一方で、若き日から釈宗活師に師事して禅の世界に深く傾倒したことは、彼の画風を語る上で欠かせません。
こうした精神性は、本作のような身近な自然を描いた作品にも投影されており、余白を活かした構成や迷いのない線からは、禅的な「空」の思想や、万物への深い慈しみが読み取れます。
お手元に眠っている貴重な掛け軸や日本画がございましたら、ぜひ私ども古美術永澤にご相談ください。確かな眼識を持つ査定士が、誠実な査定を通じて、次なる世代へと橋渡しをするお手伝いをさせていただきます。
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