
桂光春(かつら みつはる 1871-1962年)作の根付「白鷺」
大変貴重な桂光春(かつら みつはる、1871-1962年)作の根付「白鷺」をお譲りいただきました。
この根付は、茶色の木地の中央におさめた金属板に白鷺が彫り込まれています。微細な筆致で毛並みが表現された白鷺は、その姿に静謐な美しさがあり、背景の葉には金色の象嵌が施されるなど、巧みな技術が用いられています。作者である桂光春の卓越した技巧と独創性が際立つ逸品です。
桂光春は、明治から昭和にかけて活躍した彫金家です。その作風は、写実的でありながらも洗練された意匠を持ち、彫金界に新しい風を吹き込みました。
根付は、江戸時代に印籠や巾着などの提げ物を帯に留めるための留め具として発展しました。実用品としてだけでなく、素材や意匠に趣向を凝らした微細彫刻の芸術品として、武士や裕福な町人たちの間で大流行しました。
この「白鷺」のように、彫金に金属象嵌を施した根付は、明治初期の洗練された工芸技術粋を感じさせます。根付が美術品としての価値を高めていった時代の背景を映し出していると言えます。
ご自宅に眠っている根付や古美術品がございましたら、ぜひ一度、古美術永澤にご相談ください。
関連買取実績
-
2025.12.01
-
2025.11.26
-
2025.11.26
-
2025.11.25








