
菊文金蒔絵 香箱
この度、美しい菊文金蒔絵の香箱をお譲りいただきました。お客様のご祖母様が大切にされていたお品物で、長年箱に収められ丁寧に保管されていたため、保存状態も良好でした。
香箱は香木や香料を保管するための小箱で、茶道具として重要な品です。今回の品は、黒漆地に金蒔絵で菊の花をあしらった典雅な意匠が特徴的です。蓋面全体に散りばめられた菊文様は、秋の風情を表現した季節感豊かなデザインです。
菊文様は日本の伝統文様として古くから愛され続けており、特に茶道においては重陽の節句と関連して重要視される意匠です。このような古典的な図柄は、現在でも茶道愛好家の方々に高く評価されています。
技法面では、金粉を巧みに使い分けた研出蒔絵の手法が用いられており、菊の花弁一枚一枚に立体感と陰影が表現されています。葉の重なり具合の表現は見事で、当時の職人の熟練した技術を見ることができます。
保存状態については、若干の経年による漆の細かなひび割れは見られるものの、金蒔絵の剥落はほとんどなく、図柄も鮮明に残っています。共箱も完備されており、これが査定に高評価を与えました。
古美術永澤では、このような蒔絵作品について専門的な知識を持つ査定士が丁寧に査定を行っております。今回のお品物についても、時代性、技法、保存状態、希少性などを総合的に評価し、適正な価格で買取させていただきました。
古美術品は、日本の伝統文化を今に伝える貴重な文化遺産です。古美術永澤では、そうした品物の価値を正しく評価し、次の世代へと繋げていくお手伝いをさせていただいております。
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