
黒蒔絵 印籠
先日、黒漆が美しい黒蒔絵の印籠をお譲りいただきました。
印籠は、江戸時代に武士や町人の間で流行した、薬や印鑑などを入れるための小型の容器です。特に蒔絵が施された印籠は、その精緻な美しさから多くの人々を魅了しました。今回お譲りいただいた印籠も、まさにその典型と言える逸品です。
本品は、黒漆を基調とした印籠全体に、見事な蒔絵が施されています。深みのある黒漆は、まさに夜空の闇を思わせ、そこに浮かび上がる蒔絵の文様が、一層その存在感を際立たせています。
蒔絵の技法には様々なものがありますが、文様の立体感や、光の当たり方で表情を変える様は、まさに職人の卓越した技術の結晶と言えるでしょう。
特に目を引くのは、緻密に描かれた植物文様です。流れるような線で描かれた葉や茎、そして花々が、印籠全体に優雅なリズムを生み出しています。細部に至るまで一切の妥協がなく、見る者を飽きさせない魅力があります。
お譲りくださったお客様は、ご家族が代々受け継いでこられたお品とのことでした。
私たちが今回この黒蒔絵印籠を評価させていただいたポイントは、保存状態の良さにあります。漆の剥がれや蒔絵の傷みも少なく、100年以上前のものとは思えないほどの美しい状態を保っていました。また、蒔絵の図柄の繊細さ、そして全体のバランスの良さも特筆すべき点です。
古美術品は、単なる古いものではありません。そこには、当時の文化や人々の暮らし、そして職人の魂が込められています。この黒蒔絵印籠もまた、江戸時代の美意識と技術を現代に伝える貴重な文化財と言えるでしょう。
古美術永澤では、印籠をはじめとする様々な古美術品の買取を積極的に行っております。ご自宅に眠っているお品物で、「これって価値があるのかな?」と疑問に思われたり、「そろそろ手放そうかな」とお考えの方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度ご相談ください。専門の査定士が、一点一点丁寧に拝見し、適正な価格で買取させていただきます。
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