
蒔絵印籠 仔犬図
意匠美が光る「蒔絵印籠 仔犬図」をお譲りいただきました。
本作は、黒漆の地に金粉を密に蒔いた豪華な「梨地(なしじ)」が美しく、その上には丸々と肥えた愛らしい仔犬の姿が、高蒔絵といった繊細な技法などで描かれています。
特に、仔犬の柔らかな毛並みや、ふくふくとした体つき、無垢な表情は印象的で、どこか愛らしい趣を感じさせます。
提げ物としての印籠は、もともと実用的な薬入れとして誕生しましたが、やがて武士や富裕な町人のステータスシンボルとなり、意匠を競う工芸品へと発展しました。本作が作られた時代背景には、日本の伝統的な美意識と、近代化へと向かう工芸技術の成熟が見て取れます。
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