
十倉兼行 木彫り熊
十倉兼行(とくら かねゆき、1883-1943年)作の木彫り熊をお譲りいただきました。
同氏は、日本画家でありながら、昭和の時代に数多くの作品を世に送り出した木彫り熊界の代表的な作家のひとりです。
彼の作品の特徴は、一彫り一彫り丁寧に刻まれたノミ跡による「毛彫り」の表現と、熊の力強さを残しながらもどこか親しみやすさを感じさせる表情にあります。細部までじっくりと作り込まれた絶妙な立体感からは、熟練した職人技が静かに伝わってきます。
木彫り熊のルーツは、大正時代に尾張徳川家当主の徳川義親がスイスの農村美術を参考に、北海道八雲町の開拓民の副業として奨励したことから始まりました。
その後、旭川など近隣の地域へと伝わり、古くから優れた木彫技術をもっていたアイヌの職人たちも木彫り熊の制作に関わることになり、独自の文化や技法が発展しました。
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