
向井潤吉
この度、昭和を代表する洋画家・向井潤吉による風景画をお譲りいただきました。作品には、山間に佇む茅葺き屋根の民家と春の息吹を感じさせる桜、穏やかな空と山並みが描かれており、向井潤吉ならではの温かみある筆致が存分に感じられます。
向井潤吉(1901-1995)は、京都に生まれ、昭和初期から戦後にかけて活躍した洋画家です。特に昭和30年代以降は「日本の茅葺き民家」をライフワークとし、全国各地を旅しながら失われゆく農村の風景を丁寧に描き続けました。彼の作品には、単なる写実を超えた暮らしの記憶へのまなざしが宿っており、観る者の心に懐かしさと静けさを呼び起こします。
今回の作品もまさにその代表的な一枚。細部まで描き込まれた茅葺き屋根や桜の木々、家屋の陰影にいたるまで、向井潤吉らしい確かな観察眼と技術が感じられます。油彩の厚みと色の重なりが自然光と調和し、まるでその場に佇んでいるかのような没入感を与えてくれます。
ご依頼者様はご実家の整理の一環としてご相談くださり、ご親族が大切に保管していた絵画とのことでした。査定の際には、画面の保存状態、サインの有無、裏面の画布や額装の状況などを丁寧に確認させていただき、現在の市場動向を踏まえた適正な価格をご提示いたしました。お客様には「家族の思い出を丁寧に評価してもらえて安心した」とのお言葉を頂戴し、スタッフ一同、大変光栄に感じております。
古美術永澤では、向井潤吉をはじめとする昭和の洋画家の作品を積極的にお取り扱いしております。ご実家の整理やコレクションの見直しなどで買取をお考えの際は、どうぞお気軽にご相談ください。専門の査定士が丁寧にご対応させていただきます。
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