
荻須高徳の代表的な都市・村落風景を描いた油彩作品です。1963年制作、キャンバスに油彩で描かれた本作は、フランスの小村フレメクールを題材としています。サイズは比較的コンパクトながら、重厚なマチエールと独特の色彩感覚により、画面全体に力強い存在感を与えています。
本作は、荻須が生涯にわたり追求したヨーロッパの街並み表現の典型例といえます。くすんだ白壁や赤茶の屋根、青みを帯びた影が織りなす調和は、荻須特有の落ち着いた色彩世界をよく表しており、時代を超えて静かな情緒を感じさせます。荒々しい筆触で積み重ねられた絵肌は、実際の建物の質感や時間の経過を思わせ、観る者に現地の空気感を伝えます。
また、1960年代の荻須作品は、第二次大戦後に確立した画風が成熟を迎えた時期に属しており、市場でも安定した評価を得ている時代のものです。
荻須高徳は、フランスを拠点に活動しながらも、日本洋画壇においても重要な存在であり、彼の描く都市風景は国内外のコレクターから常に需要があります。本作もその典型として、今後も長く愛蔵される一枚といえるでしょう。
関連買取実績
-
こちらは豊原国周の梅幸百種之内「忠臣いろは実記 清水一學(一角)」です。 「梅幸百種(ばいこうひゃくしゅ)」とは、梅幸という歌舞伎役者が扮した100種の役を豊原国周(とよはら...
2026.07.18
-
こちらは江戸の花名勝会のうち「ま 五番組 尾上多見蔵/赤坂御門外/赤坂」です。 「江戸の花名勝会」は歌川豊国三代(初代国貞)の役者絵を中心に、複数の絵師の絵を一枚に配した 「...
2026.07.05
-
2026.06.29
-
こちらは「東海道名所風景 左側: 二代 歌川広重「東海道 石薬師」/右側: 二代 歌川広重「東海道名所之内 四日市追分」」です。 「東海道名所風景」は文久三年の四月から七月に...
2026.05.30








