
本作は、近代日本画の巨匠 奥村土牛による「桔梗」を主題とした日本画です。藍青の花と純白の花が同画面に配され、秋草の気品と清らかさを対照的に描き出しています。背景の淡い金茶色の暈しが花々を浮かび上がらせ、余白を活かした構成が画面全体に静かな張りをもたらしています。
奥村土牛は、大作の風景画で名声を確立しつつも、生涯にわたり草花や果実を題材とした小品を数多く残しました。花卉画では、細部に写実をとどめながら、線や色彩を簡潔に省略することで、対象の持つ精神性や象徴性を強調しました。本作の「桔梗」もその代表的な一例であり、藍と白の花を対比させることで、清澄さと端正さを兼ね備えた造形美を生み出しています。
桔梗は古来より「秋の七草」のひとつとして親しまれ、武家社会では家紋にも用いられるなど、高潔さや誠実さの象徴とされてきました。奥村土牛は、その伝統的な意味合いを踏まえつつ、現代的な日本画の感覚で再構成しており、余白の広がりや花の配置に彼独自のリズムが見て取れます。
関連買取実績
-
こちらは「東海道名所風景 左側: 歌川芳虎「御能拝見昼番」/右側: 月岡芳年「東海道 金杉橋芝浦」」です。 「東海道名所風景」は文久三年の四月から七月にかけての改印を持つ16...
2026.04.25
-
こちらは「東海道名所風景 左側: 二代 歌川広重「芝 増上寺」/右側: 歌川芳艶「江戸 芝 新橋」」です。 「東海道名所風景」は文久三年の四月から七月にかけての改印を持つ16...
2026.04.25
-
こちらは「東海道名所風景 左側: 初代 歌川芳宗「江戸 尾張丁(おわりちょう)」/右側:二代 歌川広重「東都 数寄屋河岸(とうと すきやかし)」」です。 「東海道名所風景」は...
2026.04.25
-
歌川 国貞(三代目 歌川豊国)の浮世絵「東海道名所風景 日本橋」です。 「東海道名所風景」は文久三年の四月から七月にかけての改印を持つ160点以上におよぶ大判錦絵竪形の揃物で...
2026.04.25








