
向井潤吉による水彩画 茅葺き民家
この度、お譲りいただきましたのは、日本画家・向井潤吉による貴重な水彩画です。向井潤吉といえば、生涯をかけて日本各地の民家を描き続けた画家として知られています。この作品も、彼の代名詞とも言える「茅葺き民家」をテーマにしたもので、その温かい筆致と素朴な色彩が心を和ませてくれます。
作品に描かれているのは、ひっそりと佇む一軒の茅葺き屋根の民家。厳しい気候に耐えながらも、力強く建つ姿が、どこか懐かしさを感じさせます。向井は、単に民家の姿を写し取るだけでなく、そこに暮らす人々の営みや、時代が移り変わる中で失われていく風景への深い愛情を込めて描いてきました。
彼の作品からは、日本の原風景に対する強い思いが伝わってきます。
向井潤吉が民家を描き始めたきっかけは、第二次世界大戦中の疎開先での体験だと言われています。防空壕で見つけた「民家図集」がきっかけで、伝統的な民家に魅力を感じ、消えゆく家を絵におさめようという思いを抱いたと言われています。
戦後、彼は「日本の民家」をテーマに掲げ、北は北海道から南は沖縄まで、日本中を旅してスケッチを重ねました。その足跡は、日本の建築史や風俗史を記録する貴重な資料としても高く評価されています。
今回の作品は、彼の民家シリーズの一点として、美術的価値はもちろんのこと、歴史的な価値も併せ持つものです。
もし、ご自宅に眠っている美術品や骨董品がございましたら、ぜひ一度、古美術永澤にご相談ください。経験豊富な査定士が丁寧に拝見し、その価値を最大限に評価させていただきます。
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