
蒔絵 片輪車 棗
この度、お客様より、素晴らしい茶道具を買取させていただきましたので、ご紹介させていただきます。
そのお品は、片輪車(かたわぐるま)の意匠が美しい金蒔絵の棗(なつめ)です。茶道具の世界では、季節感や自然の情景を写し取った作品が多く存在しますが、この棗はまさにその代表格と言えるでしょう。
片輪車は平安時代の貴族が用いた牛車(ぎっしゃ)の車輪をモチーフにした文様です。牛車の車輪を川に入れて洗い清める習慣があり、その様子が優雅で美しいことから意匠化されました。水に浮かぶ片側の車輪の姿を単純化して「片輪車」と呼ばれます。また、象徴的に
清浄・浄化:水で車輪を洗う行為から「穢れを祓う」「清める」という意味
高貴・雅さ:牛車自体が宮廷貴族の象徴であり、格式をあらわす
流れと循環:水に流れる車輪のイメージは、時の流れや無常観、または自然の循環と結び付けられた
以上のような意味が込められています。
漆黒の地色に金蒔絵で描かれた緻密な線描と、金が際立つ立体的な表現は、高度な蒔絵の技術が用いられている証です。
一般的に、茶道具の買取は、共箱の有無や箱書きによってその価値が大きく左右されます。この棗は、作者の署名、そして作品の銘が記された共箱が揃っていることから、単なる工芸品としてだけでなく、歴史的・文化的価値を伴う逸品と判断いたしました。
古美術永澤では、茶道具をはじめ、様々な古美術品の買取を承っております。ご先祖様から受け継がれたお品や、ご自宅に眠っている美術品など、価値がわからないものでも、一点一点丁寧に拝見させていただきます。茶道の世界に精通した専門の査定士が、お客様のお品物の価値を最大限に引き出し、ご納得いただける価格でのお買取りを心がけております。
ご相談は無料です。どうぞお気軽にお問い合わせください。
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