
風炉 (ふろ)
今回、買取させていただいたのは、ずっしりとした重厚感と、その精緻な文様が目を引く風炉です。風炉は茶道における道具の一つで、主に暖かい季節に炭をおこし、釜の湯を沸かすために用いられます。一口に風炉といっても、土風炉、唐銅風炉、鉄風炉など、多種多様な素材や形式が存在します。
このお品物の最大の特徴は、器の胴体部分をぐるりと取り巻く「饕餮文(とうてつもん)」です。饕餮とは、古代中国の伝説上の怪獣で、その貪欲さから魔除けの意味合いを持つとされています。青銅器に頻繁に見られる文様であり、その力強く抽象的なデザインは、現代の私たちが見ても引き込まれる魅力を持っています。この風炉の饕餮文は、非常に立体感があり、その細部に至るまで丁寧に彫り込まれています。
さらに、この風炉の持ち手部分にも注目です。こちらもまた、怪獣をかたどったような意匠が凝らされており、その表情は生き生きとしています。こうした細かな部分にこそ、当時の工匠の並々ならぬ技術と、美術品としての完成度へのこだわりが感じられます。
私どもでは、このような茶道具をはじめ、日本や西洋の骨董品、陶磁器など、幅広いジャンルの美術品を扱っております。ご自宅に眠っているお品物、価値があるかどうかわからないお品物でも、どうぞお気軽にご相談ください。専門の査定士が、お客様のお品物一つひとつに丁寧に寄り添い、適正な価格をご提示させていただきます。
関連買取実績
-
2025.09.01
-
2025.09.01
-
2025.08.27
-
2025.08.27