
こちらは豊原国周の梅幸百種之内「青砥稿花紅彩画(あおとぞうしはなのにしきえ)弁天小僧菊之助(べんてんこぞうきくのすけ)」です。
「梅幸百種(ばいこうひゃくしゅ)」とは、梅幸という歌舞伎役者が扮した100種の役を豊原国周(とよはらくにちか)が版画であらわしたもので、梅幸とは幕末から明治にかけて活躍した名優、五代目 尾上菊五郎の俳名です。全100図にわたって描き出した国周の晩年の代表作として知られています。
白浪五人男と呼ばれる盗賊たちの悪事を、一人ひとりの因果物語も交えて華麗に描いた、まさに歌舞伎を代表する作品です。武家の美しい娘に変装していた弁天小僧が見破られるや、肌脱ぎになり、入れ墨を見せて自らの正体を明かす場面。足の組み方や、煙管の使い方などの弁天小僧の動きや台詞回しは、一つの型となって完成されています。五代目菊五郎のために書き下ろされた演目で、本図はその初演を想定して描かれており、弁天小僧は当時19歳であった菊五郎の代表作となり、生涯で6度も演じることになったと言われています。
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