
こちらは豊原国周の梅幸百種之内「張良兵書賜(ちょうりょう へいしょのたまもの)張良」です。
「梅幸百種(ばいこうひゃくしゅ)」とは、梅幸という歌舞伎役者が扮した100種の役を豊原国周(とよはらくにちか)が版画であらわしたもので、梅幸とは幕末から明治にかけて活躍した名優、五代目 尾上菊五郎の俳名です。全100図にわたって描き出した国周の晩年の代表作として知られています。
現代に歌舞伎としての資料はないものの、能の演目の一つ『張良』を元に歌舞伎化したものと考えらます。漢の高祖の臣下・張良は、夢で出会った老人の命に従い土橋で沓(くつ)を拾って履かせます。 老人は「五日後に兵法の奥義を教える」と言い残し、夢は覚めました。
最初の約束は遅刻して激怒されますが、五日後の再会を約束し、次は早めに到着して待ちます。現れた老人・黄石公は試練として沓を川に落とし、大蛇が襲いかかりますが、張良は果敢に剣を抜いて沓を取り戻しました。黄石公は張良に奥義を伝授。張良はやがて、漢の高祖・劉邦(りゅうほう)の軍師となったと言われています。
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