
アンティーク懐中時計
先日、お客様より、大変貴重なアンティーク品を買取させていただきました。 手巻き式の懐中時計です。
時計本体は、温かみのある深い赤茶色です。提げ紐も、時を経て渋みを増した茶色の組紐で、時代を感じさせます。
文字盤に目を向けると、「SEIKO」のロゴが読み取れます。 これは、日本の時計メーカーの雄、服部時計店(現在のセイコーホールディングス)が、製造部門として設立した「精工舎(せいこうしゃ)」の刻印です。 精工舎は、明治時代から日本の時計製造を牽引してきた歴史あるブランドであり、そのロゴはまさに信頼の証。
文字盤の数字は、西洋風のアラビア数字が並んでおり、特徴的なのは、文字盤を囲むようにドット状の装飾が施されている点です。これは、当時の職人の繊細な仕事ぶりを物語っています。 リューズ(ゼンマイを巻く部分)は、本体の下部に位置しています。ケースの破損や文字盤の目立った劣化もなく、状態は良好でした。
古美術品や骨董品の世界では、一つ一つの品が持つ物語や歴史が、その価値を大きく左右します。 この精工舎の懐中時計は、日本の時計製造の歴史を語る上で欠かせないピースであり、大正〜昭和初期の日本の文化や暮らしを伝える貴重な資料です。
思い出が詰まったこの懐中時計は、これから私たちの手で大切に次の世代へと繋いでいくお手伝いをさせていただきます。 ご実家の蔵やご自宅に眠っている骨董品、美術品がございましたら、ぜひ一度、古美術永澤へご相談ください。一点一点、丁寧に拝見し、その価値を最大限に評価させていただきます。
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