
高崎元尚「装置 1999」
高崎元尚による1999年制作の作品《装置》をお譲りいただきました。
本作は、一見すると整然と並べられた白い正方形の構成ですが、それぞれの面がわずかに浮き上がり、微妙に反り返ることで、静かな動きと緊張感を内包しています。平面でありながら完全な平面にはとどまらないこの構造は、高崎元尚が一貫して追求してきた「絵画とは何か」という問いに対するひとつの答えともいえるものです。
高崎は具体美術協会の作家として活動し、「描く」という行為そのものだけでなく、支持体や空間、素材との関係性に強い関心を持っていました。とりわけ「装置」という言葉には、単なる絵画作品ではなく、空間の中で作用する存在として作品を捉える意識が込められています。本作においても、規則的な配置の中にわずかなズレや歪みを持ち込むことで、見る者の視覚や感覚に働きかける構造が生まれています。
また、白という色の選択も重要な意味を持っています。色彩を排することで、形状や光の反射、影の揺らぎといった要素がより強く意識され、作品そのものが環境と呼応しながら変化して見える点が特徴です。時間帯や見る角度によって印象が変わるのは、まさに高崎作品ならではの魅力といえるでしょう。
今回のお品は、アクリルケース内に収められた状態で保存されており、ケースには割れが見られたものの、中の作品のコンディションは良く、お買取りさせていただきました。
古美術永澤では、高崎元尚をはじめとする具体美術協会の作家作品についても、制作背景や作品思想を丁寧に読み解いたうえで査定しております。現代美術作品のご売却をお考えの際は、どうぞ安心してご相談ください。
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