
浮世絵師・楊洲周延(ようしゅう ちかのぶ)による「江戸砂子年中行事 上巳之図(えどすなごねんちゅうぎょうじ じょうししず)」です。大判錦絵三枚続となっており、3月3日のひな祭りの様子を描いています。題の「上巳(じょうし)」は3月3日の節句を指し、この日に行われる雛祭りの催しを描いたものです。満開の桜の木と池を背景に、華やかな衣装を身につけた女性たちが、雛人形を囲んで団らんする様子が描かれています。
楊洲周延は幕末には幕臣(旗本)として彰義隊に加わり上野戦争に参加した武士でしたが、浮世絵師に転向し、師の歌川国貞(三代目歌川豊国)のもとで修業し、歌川派の役者絵・美人画を学びました。宮廷女性・貴婦人・遊女などを華やかに描き、明治時代の女性像を定義したとも言われます。浮世絵が衰退していくなかで、「最後の浮世絵師」とも呼ばれ、晩年まで活動を続けました。
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