
三代 歌川豊国(歌川国貞)による浮世絵「東海道五十三次の内 関 伊達の与作 (せき だてのよさく) 」です。
「役者見立東海道」と呼ばれるシリーズ作品の一つで、手前に役者絵、背景に演目や登場人物に関係する宿場の風景(この場合は関)が配されており、歌舞伎役者が「伊達の与作」に扮している様子が描かれています。
この演目の見どころは、実の親子(腰元の重の井と与之助(与吉))の悲しい別れなのですが、そもそもの原因は腰元(侍女)の重の井が家中の伊達与作と不義密通したことで始まります。
歌舞伎や文楽では「身分違いの恋」を題材とした演目は数多く存在します。
当時は自由恋愛が禁止されており、身分違いの恋愛または結婚は厳禁、武士の結婚は君主や両親が決めることと武家諸法度(ぶけしょはっと)で定められていました。不義密通が露見すれば厳罰に処されます。手討で命を落とすこともあれば、徒刑に処せられることもあり、そうでなくてもお家追放と社会的に追放されます。
しかし、理性で抑制できない弱さ、もろさ。そしてそれによる業を抱えながら生きていく人間くさい姿を歌舞伎は描いているからこそ、今でも観客の胸をうつのだと思います。
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