
百萬塔(ひゃくまんとう)
百萬塔(ひゃくまんとう)をお譲りいただきました。
百萬塔は、奈良時代後期の764年に起こった動乱を鎮めるために称徳天皇によって発願され、770年に完成した100万基の小型の木製三重塔です。
百萬塔の最も重要な価値は、その内部に納められた「陀羅尼経」にあります。これは世界最古の印刷物の一つとして位置づけられ、日本の印刷技術史において極めて重要な意味を持ちます。塔自体も奈良時代の木工技術の粋を集めた作品で、当時の仏教美術と工芸技術の水準を示す貴重な品です。
百萬塔の買取価格に大きく影響するのが保存状態です。木製品であるため、虫食いや割れ、欠損の有無は査定額を大きく左右します。また、塔の各層が完全に揃っているか、相輪部分に損傷がないかも重要なチェックポイントです。
特に注意すべきは、過度な修復や補修が施されていないかという点です。古美術品としての価値を保つためには、オリジナルの状態をできる限り維持していることが望ましく、不適切な修復は逆に価値を下げる要因となります。
古美術品としての百萬塔を鑑定する際には、まず時代判定が最重要となります。真作の百萬塔は奈良時代の作品ですが、後世に製作された模造品や復刻品も数多く存在します。
これらの評価は制作年代、作者、技術的完成度、保存状態などを総合的に判断して決定されます。特に著名な仏師や木工職人による作品、寺院の由緒がある品などは高い評価を受ける傾向にあります。
百萬塔の査定においては、真贋判定と保存状態の確認が最も重要であり、専門的な知識と経験が不可欠です。お手元に百萬塔と思われる品をお持ちの方は、専門の鑑定士のいる古美術永澤へご相談ください。
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