
古硯(こけん)
古硯(こけん)をお譲りいただきました。
硯(すずり)は、墨を磨って字を書くための書道具として古くから重宝されてきました。その中でも、年代物の古硯(こけん)は、実用品でありながら美術品としての価値も高く、現在では収集家や書道家の間で人気があります。
古硯の価値を決めるポイントは大きく3つあります。
1 産地
中国製では、端渓硯(たんけいけん)、歙州硯(きゅうじゅうけん)、洮河緑石硯(とうがりょくせきけん)などが有名で、古い端渓硯は評価が高い傾向にあります。日本製では、赤間硯(あかますずり)、雄勝硯(おがつすずり)、雨畑硯(あめはたすずり)などが代表格で、著名な硯師の作は高く評価されます。
2 状態
割れや欠け、墨を磨った面のすり減り具合が少ないものほど高く査定されます。また、硯箱や共箱、添え状(記録書)などの付属品が揃っていると、評価は上がります。
3 銘(めい)や作風
作者の名が彫られているものや、著名人の手によるもの、趣のある意匠を持つものは美術的評価が加わり、希少性とともに査定額が上がります。たとえば、江戸時代の文人が愛用していたとされる硯などは、価値を高めることもあります。
古硯は一見すると地味ですが、美術品や工芸品としての奥深さを持ち、コレクター市場では根強い人気があります。査定には専門的な知見が必要な品ですので、買取を検討される際は、硯に精通した古美術永澤へご相談ください。ベテラン査定士が目利きいたします。
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