
銀製文鎮
漢詩が組まれた銀製の文鎮をお譲りいただきました。縦長の形状で、表面には漢詩と上部には葉文様の装飾が表されており、全体的に品格のある仕上がりです。
文鎮は書道において紙を押さえる実用的な道具でありながら、同時に美術品としての価値も持つ書道具です。特に銀製の文鎮は、その重量感と美しい光沢、そして時間の経過とともに生まれる独特の風合いが愛好家に高く評価されています。
本品の魅力は、単なる実用品を超えた美術性にあります。組まれた漢詩は、文字の一つ一つが丁寧に鋳込(いこ)まれています。このような鋳造技術は現代では希少であり、職人の高い技術力を物語っています。
銀製文鎮の査定では、以下の点を重視いたしました。
・素材の純度:銀の純度が高いほど価値が上がります。刻印や色味、比重から純度を判断します。
・鋳造技術:文字や装飾が鋳造により立体的に表現されている点を評価します。本作品の漢詩や葉文様の鋳込みは、熟練した職人の技術によるものと考えられます
・保存状態:木箱に丁寧に保管されていたことで、表面の傷や変色が最小限に抑えられており、良好な状態を保っています。
・来歴:宮本商行という銀専門店での取り扱い履歴は、品物の信頼性を高める要因となります。
近年、書道ブームの影響で書道具への関心が高まっており、特に美術性の高い文鎮は書道愛好家や古美術コレクターから安定した需要があります。
今回の銀製文鎮は、優れた鋳造技術と美しい漢詩、そして良好な保存状態により、書道具としても美術品としても価値のある品です。
古美術永澤では、書道具や銀製品の専門知識を持つ査定士が、一点一点丁寧に評価させていただいております。
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