
堆朱飾板
迎祥の吉祥句を冠した見事な堆朱細工の飾板をお譲り頂きました。中国の伝統文化と工芸技術の華やかな歴史を感じさせる逸品です。
「迎祥」には「幸運を迎える」 という意味があります。中国では「文字や言葉自体に吉兆を招く力がある」と考える文化があり、この飾板は春節(旧正月)や結婚式、開業などの慶事で家の門や部屋に掲げて、縁起を担ぐために使われるものです。
この作品に使用されている堆朱(ついしゅ)は、中国における伝統的な漆工芸の一つで、主に装飾品や文具、家具の表面に施される技法です。「堆」とは文字通り「積む」という意味で、漆を層状に塗り重ねて立体的な文様を作ることからこの名がつきました。漆は樹液から作られる天然の塗料で、乾燥すると硬く、耐久性に優れるため、古来より中国では高級工芸品の素材として重宝されてきました。
唐代(7~10世紀)にはすでに存在が確認され、宋代(10~13世紀)以降、宮廷や上流階級の間で高く評価されました。明代(14~17世紀)には技法がさらに洗練され、文箱や筆筒、香炉などの小物から大型の屏風や家具に至るまで幅広く用いられました。その緻密な彫刻により、中国漆工芸の代表的な作例として評価されています。高級工芸品として鑑賞・収集の対象となっています。
堆朱の制作過程は、木や竹、紙などの器物の表面に漆を塗り、乾燥させた後、粉末状の顔料や朱漆を混ぜた漆を用いて文様を盛り上げるものです。この層を何度も重ね、彫刻刀やヘラで形を整え、最後に細部を磨くことで、立体感のある精緻な装飾を作り上げます。漆の温かみのある色彩が特徴で、陰影の効果により彫刻の立体感が強調されます。
この作品は「迎祥」の文字の周囲に雲文様と宝物の意匠を配し、縁を唐華文様で囲っています。朱漆の鮮やかな色合いと精緻な浮き彫りが華やかな印象を与える、慶事に相応しい作品となっています。
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