
「朝鮮通宝(ちょうせんつうほう)」をお譲りいただきました。
朝鮮通宝は、李氏朝鮮が独自に鋳造発行した銅銭です。
李氏朝鮮は建国初期の1401年(太宗元年)に「楮貨(チョファ:楮紙製の紙幣)」を発行して、初代法貨としました。ところが、塩の専売制が採られた李朝において塩と交換可能な物品が布と米、雑穀であったという背景もあり、当時の流通市場では「布貨(ボファ)」などの物品貨幣が好まれ、名目貨幣は嫌われる傾向にありました。李朝は楮貨の推進のため、楮貨1枚に対し米一升という高い価値を与えたり、物品貨幣の使用禁止を試みたり、布貨の使用に税金(「布帛税(ポベクセ)」)を課すなどして布貨の規制を進めようとしました。この布帛税の徴収における楮貨一枚未満の額の処理のために発行された銅銭が「朝鮮通宝」です。
その後楮貨と朝鮮通宝は、使用中止や規制緩和、価値の暴落といった紆余曲折を繰り返す中でなんとか存続し、粛宗(朝鮮王)治下の1678年、常平通宝のみが唯一の法貨として恒常的に発行されるようになったことでその役割を終えました。
朝鮮通宝は、李氏朝鮮の経済政策と貨幣制度の変遷を反映した貴重な歴史的遺物と言えるでしょう。
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