
音丸耕堂の彫漆
音丸耕堂(おとまる こうどう)の彫漆(ちょうしつ)作品をお譲りいただきました。
朱、黒、黄、緑などの色漆を数十回ほど幾重にも塗り重ね、目当ての色層まで彫り出すことで、立体感のある模様を表現する高度な技法です。この分野で20世紀を代表する巨匠として名高いのが、重要無形文化財保持者(人間国宝)の音丸耕堂です。
音丸耕堂は1898年(明治31年)に香川県に生まれました。若くして漆芸の世界に入り、蒟醤(きんま)や存清(ぞんせい)など多様な技法を学びましたが、特に彫漆において独自の作風を確立しました。
耕堂は多彩な彫り方やと塗り方が巧みで、従来の色漆に加え新素材の顔料をいち早く取り入れ、中間色や鮮やかな色彩を表現しました。
1955年には彫漆の重要無形文化財保持者に認定され、日本国内外でその名を高めました。数々の賞のほか文化勲章を受けて後進の育成にも尽力し、多くの漆芸家の育成とともに日本の伝統工芸の発展に多大な影響を与えました。
現在でも音丸耕堂の作品は高く評価され、美術館などで目にすることができますが、個人の手元にある作品が市場に出る数は限られています。特に彫漆作品は真贋の見極めが難しいため、実績ある業者による評価が重要です。
もしご自宅に音丸耕堂の作品があり、買取をご検討中の方は、ぜひ古美術永澤にご相談ください。専門の査定士が丁寧に査定いたします。
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