
堆朱(ついしゅ)印籠
堆朱(ついしゅ)印籠をお譲りいただきました。
この印籠は、精巧な花模様の彫刻が施された五段構造となっています。
堆朱とは、漆を幾重にも塗り重ねた上に文様を彫り出す技法で、この印籠には見事な花模様が彫刻されています。表面全体に配された花模様は均一でありながらも一つ一つに個性があり、職人の高い技術力を物語っています。 五段構成の各段には継ぎ目が美しく合致し、蓋の開閉もスムーズで、経年による損傷も最小限に抑えられています。全体的な保存状態の良さも価値を高める要因となりました。
印籠は、印章や薬を携帯するための実用品でしたが、江戸時代には武士や富裕層の男性の装身具として発展し、その美術的価値が高まりました。特に漆工芸の粋を集めた堆朱印籠は、高級品として珍重されました。 このような堆朱印籠は、現代においても工芸品としての価値だけでなく、当時の文化や美意識を伝える歴史的資料としても重要な存在です。
今回の買取では、以下の点を評価させていただきました。
・堆朱の彫刻技術の高さと保存状態
・五段構造の完全性と各段の噛み合わせの精度
・オリジナルの紐の残存
・全体的な色調と艶の保持状態
古美術永澤では今後も、このような質の高い骨董品の買取を積極的に行ってまいります。大切にされてきた品々に新たな価値を見出し、次の所有者へと橋渡しすることが私たちの使命です。 お手元の骨董品の価値にご興味をお持ちの方は、ぜひ一度古美術永澤の無料査定をご利用ください。
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