
熊谷守一の水彩画をお譲りいただきました。
熊谷守一は“画壇の仙人”と称され、晩年は千早の家で植物や小さな生物たちに囲まれ、絵を描いて過ごしました。
明るい色彩とはっきりした形で、穏やかな愛しさに溢れた画面は、猫や虫、道端の花といった、画家が愛した“何でもないように其処にある生命”で満たされています。
彼の残した有名な言葉に、対象と向き合う姿がうかがえる一節があります。
「地面に頬杖つきながら、蟻の歩き方を幾年も観ていてわかったんですが、蟻は左の二番目の足から歩き出すんです」
時にユーモラスにも見える作品は、子供が描いたように見えるといわれることもあります。それは、守一自身が、無垢な心で対象と接し、じっと見つめ、愛した結果の表現だったのではないでしょうか。
お買取りの品は、長年で培われた観察力と研鑽された画力から、迷いない筆で描かれた作品です。
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