
ロシア・イコン
保存状態の良いロシア正教のイコンをお譲りいただきました。
ロシア・イコンとは、ロシア正教で用いられる宗教的絵画のことで、主にキリストや聖母マリア、聖人たちが描かれたものです。ロシアでは12世紀頃からイコン制作が始まり、独自の様式を発達させながら、現在まで続く伝統工芸として受け継がれています。
本作品は、木製パネルに描かれており、ロシア正教の重要な宗教的場面を描いたものと見られます。中央には威厳ある聖人の姿が大きく描かれ、その周囲を多数の聖人や天使たちが取り囲む構成となっています。
テンペラ技法による精緻な描写が特徴的で、金の背景が作品全体に神聖な輝きを与えています。注目すべきは、各人物の衣装に施された細密な装飾と、表情の描写です。ロシア・イコンの伝統的な様式を踏襲しながらも、個性的な画風が見られ、熟練した職人による手仕事であることが窺えます。
長い年月を経ているにも関わらず、色彩の鮮やかさが保たれており、特に青と赤の顔料の発色が美しく残っています。木製の基底材にも大きな損傷は見られず、全体的に良好な保存状態でした。
このように完全な状態で残っているイコンは希少価値が高く、コレクターからの需要も高い分野です。
ロシア・イコンの買取では、制作年代、作者の特定、宗教的意味の解釈、保存状態などを総合的に判断いたします。本作品は、宗教美術としての完成度の高さ、歴史的価値、希少性を考慮し、適正な価格で買取させていただきました。
古美術永澤では、ロシア・イコンをはじめとする宗教美術品の専門知識を持つ査定士が在籍しており、お客様の大切なお品物を適正に評価いたします。同様の作品をお持ちの方は、ぜひ一度古美術永澤へご相談ください。
関連買取実績
-
2025.05.16
-
2025.05.02
-
2025.02.22
-
2025.02.10